職場によってこんなに違う!仕事内容、給料、勤務時間などを比較

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 転職先・勤務先としてどのような職場を考えていますか?街の歯科医院やクリニックを思い浮かべる方も多いと思いますが、それ以外にも歯科衛生士として働く場はいくつかあります。

 

歯科衛生士の職場

 歯科衛生士の職場には以下のような種類があります。

• 歯科医院・クリニック

• 大学病院

• 保健所・保健センター

• 介護保険施設

• 歯科衛生士学校

• 企業 など

歯科衛生士のうちおよそ9割は町の歯科医院・クリニックに勤務しているとされています。残りの1割は病院や保健所、企業など。同じ歯科衛生士という職業でも、職場が変わると仕事内容や働き方、勤務時間、待遇などは大きく変わってきます。

例えば歯科医院・クリニックと大学病院では、来院される患者層に違いはあっても「患者さんの口腔ケアをする」という点では共通しています。しかし職場が歯科衛生士学校や企業の場合、患者さんと直接関わることはほとんど無いでしょう。

今回は職場によってどのような差があるのか解説していきます。

 

歯科医院・クリニック

 

患者層 ▶▶赤ちゃんから高齢者まで

仕事内容▶▶TBI、口腔ケア、診療補助、受付、消毒、事務業務など

年収  ▶▶およそ200〜400万円

勤務時間▶▶およそ8〜12時間

 歯科医院・クリニックには、近隣に住んでいる赤ちゃんから高齢者まで幅広い年齢層の方が来院されます。歯科医院・クリニックにおけるユニット数は3〜4台と小規模であることが多く、院長やスタッフ同士の距離だけでなく患者との距離感も近いでしょう。ゆえにTBI・口腔ケアなど患者と関わる機会も多いです。

歯科助手を雇っている歯科医院であれば、歯科衛生士業務に専念することができるでしょう。しかしスタッフが歯科医師と歯科衛生士のみの場合は、受付や消毒、事務業務まで任されることも少なくありません。これにより本来の歯科衛生士業務へ割く時間が制限されたり、歯科衛生士らしく働けなかったりすることも考えられます。

給与は審美系や自費専門のクリニックだと高くなる傾向にあります。歯科医院・クリニックは都市部に限らず地方にも多くあり、立地によって給与が変動することが多いです。また歯科医院・クリニックは個人が経営していることも多く、勤務時間や休日は職場によります。お昼休みが長い分、勤務終了時間も遅いこともしばしば。職場によっては給与・休日に融通がきくことも多いです。

 

大学病院

 

患者層 ▶▶難症例やリスクの高い方も多い

仕事内容▶▶TBI、口腔ケア、診療補助、事務業務など

年収  ▶▶およそ200〜400万円

勤務時間▶▶およそ8時間

大学病院には街の歯科医院で受け入れることができなかった、難症例の方や全身疾患があり治療リスクの高い方などが来院されます。そういった方へ対応するには、歯科の知識はもちろん疾患など医科の知識も必要です。大学病院は歯科医院・クリニックに比べて圧倒的にスタッフ数が多く、歯科医師や歯科衛生士以外と関わる機会も多くあります。

医科の病院内に入っている口腔外科であるか歯科専門の病院であるかにもよりますが、後者の場合は歯科医師1人に対する歯科衛生士の数が圧倒的に少ないです。そのため診療補助業務に追われることも少なくありません。また、受付・消毒を事務員などの専門スタッフが行なっていることもあれば、歯科医院・クリニックのように全て歯科衛生士が行なっていることもあります。

大学病院は賞与(ボーナス)や各種手当、福利厚生は充実していることが多いです。残業もほとんど無く、あったとしてもきっちり残業代の出ることがほとんどでしょう。勤続年数に応じて着実に昇級していくことも多い上、スタッフ数の多い分役職も付きやすいです。これにより年収で見ると他の職場よりも比較的高いと言えます。

 

保健所・保健センター

 

患者層 ▶▶赤ちゃんから高齢者まで

仕事内容▶▶歯科検診業務、健康教育など

年収  ▶▶職場によって差あり

勤務時間▶▶およそ8時間

 保健所・保健センターで働く歯科衛生士は地域住民が相手であるため、関わる人々は赤ちゃんから高齢者まで幅広いです。

 

主な仕事内容

• 赤ちゃんの歯科検診補助(TBI、フッ素塗布)

• 地域住民への健康教育

• 小学校での集団指導

• 訪問歯科診療 など

 給与は地域によって差があるものの、勤務時間は8時間ほどであることが多いようです。管轄が都道府県や市区町村ということもあり、有給取得率が高いのも保健所・保健センターの特徴です。

 

介護保険施設

 

患者層 ▶▶高齢者

仕事内容▶▶口腔ケア・リハビリ、診療補助、嚥下状態の評価など

年収  ▶▶ およそ200〜400万円

勤務時間▶▶およそ8時間

 介護保険施設で介護職員とともに働く歯科衛生士もいます。誤嚥性肺炎を予防するためには、歯科衛生士による専門的な口腔ケアが欠かせません。患者は高齢者に限定されますが、歯科衛生士の介入が全身の健康に結び付くことも多く、やりがいを感じられるでしょう。歯科だけでなく介護の知識も要求されることが多いです。

仕事内容は、入所者の口腔ケアや口腔内状態・口腔機能の評価などが主なものとして挙げられます。その他、食事を美味しく食べるためお口の体操や筋機能訓練など、口腔リハビリを行うこともあります。歯科医師の診察や治療がある際には、歯科医院・クリニックの歯科衛生士と同様診療補助業務も行います。

歯科診療の設備が整っている施設では、歯科衛生士が歯石除去やクリーニングなども行います。

 

歯科衛生士学校

 

患者層 ▶▶

仕事内容▶▶学生の教育、実習補助、教材作成、事務業務など

年収  ▶▶およそ200〜400万円

勤務時間▶▶およそ8〜12時間

大学や専門学校など、歯科衛生士を育成する立場で働く歯科衛生士もいます。この場合患者対応をすることはほとんど無く、関わる相手は歯科衛生士を志す学生です。いわば教師になるわけですが、一般的な教師と違うのは「実習」が多くあるということ。

将来歯科衛生士になる学生たちなので、正しい知識・技術を教えなければいけません。臨床現場では器材、材料、清潔・不潔の定め方も職場によって差があるもの。教科書に載っている内容と臨床で学ぶ内容は異なることも多いですが、将来どの職場で働くかは学生たち次第ですよね。本人たちにはあくまで教科書や教材に沿った内容を教えるのが基本です。もちろん誤った知識や自己流の技術などを教えるのはふさわしくないため、正確な知識・技術を持っていることが絶対条件となります。

その他資料を作ったり実習計画を立てたり、仕事量は多いと言えます。そのため残業になることも多く、勤務時間はおよそ8〜12時間と比較的長いです。

 

企業

 

患者層 ▶▶企業の社員あるいはその他

仕事内容▶▶営業、商品・サービス企画、事務業務など

年収  ▶▶業務内容によって差あり

勤務時間▶▶およそ8時間

 企業で働く歯科衛生士には、2通りの働き方があります。1つは歯科衛生士として、企業内の歯科医院で社員を診る働き方です。仕事内容は歯科医院などで働く歯科衛生士と基本的に同じで、企業内の歯科医院へ来るのはその企業に勤める社員。彼らは勤務時間中に来院します。例えば海外出張の多い企業であれば、その日程を考慮しながら治療・処置予定を組んだり予約を取ったりします。臨床で働く歯科衛生士でありながら一社員でもあるため、福利厚生の充実していることが多いです。

もう1つの働き方は、企業で一般社員として働きます。とは言っても、歯科衛生士の資格を使って働くため、歯科用品の開発や営業などを行います。この場合、患者さんに直接関わることはほとんどありません。また一社員として扱われるため、土日休みの週5出勤であることが多く、他の社員と同様賞与が充実していることも多いです。

参考文献

 

まとめ

 

歯科医院やクリニックとは違った形の働き方をまとめてみましたが、いかがでしょうか。職場が異なるだけで、同じ歯科衛生士の業務でも注力している部分がそれぞれ異なります。歯科衛生士としてどう成長していきたいのか、どんな働き方が良いのかも人それぞれですよね。

「ライフステージが変化してしまった」「環境を変えてチャレンジしてみたい」など、誰しもが転職の転換期を迎えるタイミングがあります。そのときに、歯科医院やクリニックだけに絞って見るのではなく、視野を広げてみるとより自分に合った働き方が発見できますよ。

 

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