お役立ち情報
お役立ち情報
更新日:
歯科衛生士は、働く場所によって働き方も多種多様です。例えばホワイトニングやインプラントを専門としている歯科医院では、一般の歯科診療所と仕事内容など異なることが多いです。 中でもインプラント専門医院では知識と経験が求められることも多いため、就活や転職の際に躊躇する方も少なくありません。しかしインプラント専門医院は、歯科衛生士としてのキャリア・スキルアップを目指すことができる魅力ある歯科医院でもあります。今回はインプラント専門医院について紹介します。
インプラント治療は、う蝕や歯周病、思わぬ事故などによって失った歯を補う治療方法の一つ。
インプラント体と呼ばれるチタン製のネジを顎骨に埋め込み、これを土台として被せ物をします。
インプラント専門医院はインプラント治療やメンテナンスを主に行いますが、保険診療やその他の自費診療にも対応する歯科医院もあります。
来院する患者には、これからインプラント治療を希望する方や治療を終えてメンテナンスを受ける方、他の歯科医院で埋入したインプラントにトラブルのある方などさまざまです。
インプラント専門医院での業務には以下のようなものがあります。
歯科医師の診療補助や受付業務などを任されることはほとんどありません。
❶カウンセリング
❷口腔内診査
❸手術の準備
❹手術の介助
❺メンテナンス
それぞれ詳しく見ていきましょう。
インプラント治療を希望する患者さんに対し、インプラントについての説明を行なったり口腔内の悩みをヒアリングしたりします。
患者さんがインプラントについて詳しく知らないことも多く、手術に対して不安を持つ方も多いためです。
なおカウンセリングは初回と検査後の2回行われることが多い傾向。
初回カウンセリングではインプラント治療について理解してもらい、2回目のカウンセリングでは診断をもとに費用やインプラントを埋入する位置、それに伴うリスクなどさらに詳しい説明を行います。
歯科医院によっては経験を重ねた歯科衛生士がカウンセリングを行うこともあり、中には成約数が給与に反映されるなどノルマを課す歯科医院もあります。
インプラント治療への理解が深まったら、口腔内診査を行います。
この診査は、患者さんがインプラント治療を受けられるか判断するために欠かせないもの。
口腔内診査では以下の項目を確認することが一般的です。
口腔内診査では正確な資料を得る必要があるため、口腔内写真や印象採得などでも技術を求められることが多いです。
う蝕や歯周病の診査は、一般歯科と同様に行います。
CT撮影では撮影後、歯科衛生士が画像処理や分析を行うことも。
そのためCT画像の見方やソフトの操作方法も覚える必要があります。
これらの診査結果をもとに歯科医師が治療計画を立て、2回目のカウンセリングを行います。
インプラント手術を行うことが決まったら、日程に合わせて準備するのも歯科衛生士の仕事です。
具体的には使用するインプラント体やアバットメントの用意をしたり、器具の滅菌をしたりします。
また歯科衛生士がそれらの在庫管理・発注を行うことも。
なおインプラント専門医院ではオペ室が完備されていることが多い傾向。
歯科医院によっては清掃業者の入ることもありますが、歯科衛生士がオペ室の清掃を行うこともあります。
インプラント手術当日は、歯科衛生士が介助に入り歯科医師のサポートをします。
清潔・不潔の領域が明確に分けられていることが多いため、介助が2人以上入る歯科医院もあります。
インプラント手術の介助では、以下のことを行うことが多いです。
器具の受け渡しでは歯科医師がスムーズに手術を進められるように、骨を削るドリルの付け替えやインプラントを埋める機械の操作を行うことも。
そのため治療内容を把握することはもちろん、インプラント手術に使用する器具の名称や使い方も全て理解する必要があります。
視野の確保では同時に唾液・血液の吸引を行うこともあり、術者の邪魔にならないよう的確に行います。
インプラント治療終了後はメンテナンスに移行し、クリーニングやかみ合わせの確認などを行います。
スクリュー固定式のインプラントであれば上部構造の着脱を行い、アバットメントの清掃も施術。
歯科医院によっては上部構造の咬合調整を行うこともあるため、咬合についても理解する必要があります。
インプラントはう蝕にはなりませんが、インプラント周囲粘膜炎やインプラント周囲炎になることも。
それらに罹患するとインプラントが長持ちしにくくなるため、メンテナンスは欠かせないもの。
セルフケアもしっかり行なってもらうよう患者さんに指導します。
入職後は覚えることが多くて大変ですが、一般歯科にはない魅力がインプラント専門医院にはあります。
一般歯科よりも専門性が高い歯科医院のため、スキル・キャリアアップを目指すことができます。
勉強会やセミナーなどは頻繁に開催されることが多く、これらの勉強会への参加をバックアップしてくれる歯科医院もあります。
インプラント認定歯科衛生士の資格取得を目指す歯科医院もあるため、そのような歯科医院ではさらなるスキルアップが見込めるでしょう。
インプラント手術を実施している歯科医院は24,000件ほどあり、インプラント治療を行う一般歯科も増加傾向にあります。
そのため今後は一般歯科でもインプラント治療に携わる機会が増え、インプラント治療の知識と経験がある歯科衛生士は転職に有利と言えるでしょう。
インプラント専門医院の給料は、一般歯科と比較してもあまり差はありません。
ただ自費診療のため社会保険や福利厚生が充実していたり、インプラントの実施件数が多いとボーナスに反映されたりすることもあります。
勤務時間に関しても一般歯科とほとんど変わりませんが、完全予約制の歯科医院が多いため残業はほとんどないのが特徴です。
インプラント治療に関して経験が無くても、インプラント専門医院で働くことはできます。
ただ新卒の場合、歯科医院によっては採用していないところもあります。
これは「歯科衛生士としての経験がないとインプラントに携わるのは難しい」という考えがあるためです。
ただ逆に、他の歯科医院のやり方に染まっていない新卒の歯科衛生士を積極的に雇う歯科医院もあるため、その歯科医院が求めている歯科衛生士像を把握しておくと良いでしょう。
インプラントは専門分野であるため難しいと捉えられがちです。
しかし歯科衛生士としてさらなるキャリアアップを目指せるのがインプラント専門医院の魅力。
転職や就職を考えている方でインプラントに興味のある方は、一度検討してみてはいかがでしょうか。
【歯科求人ラボ】では専門のアドバイザーがあなたの希望に合った求人をご提案いたします。職場選びに迷った際はぜひ【歯科求人ラボ】へご相談ください。入職までしっかりとサポートさせていただきます。