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「歯科衛生士のフリーランス」というのは、あまり聞いたことありませんよね。実は、歯科衛生士として働いている人の中にも、フリーランスで働いている方はいるのはご存知でしょうか。歯科衛生士でフリーランスは何人くらいいるか、パートタイムと何が違うのか、など疑問に思うことを例に上げて解説していきます。
■目次
そもそも、「フリーランス歯科衛生士」とはどのような人のことを指すのでしょうか。
フリーランスとは、特定の団体や会社に属さず個人で働いている人のことを指し、その人の能力や持っているスキルを武器として、仕事に合わせて自由に契約している人のことを言います。
歯科衛生士の場合、特定の歯科医院には属さず、個人で働いている歯科衛生士を指しています。
公益社団法人 日本歯科衛生士会による調査報告書では、常勤(正規雇用)が52.3%、常勤(任期付き等)が3.9%、常勤での勤務者(正規雇用と任期付き等の合計)は56.2%、非常勤(パートタイム)が39.0%、その他が3.6%という数字が発表されています。
フリーランスは「その他」の3.6%の中に分類されていることが予想されます。
したがって、フリーランスで働く歯科衛生士は全体の3.6%以下であると推測できるでしょう。
この結果から、フリーランスとして働く歯科衛生士の数はまだまだ少ないということが分かりますね。
参照:公益社団法人 日本歯科衛生士会|歯科衛生士の勤務実態調査報告書
歯科衛生士がフリーランスで働くメリットには、場所や時間を自分で調整し、自分のペースで働けるという点が挙げられます。
また職場の人間関係に深く入り込まないことから、人間関係で悩みにくいという点もメリットでしょう。
さらに複数の歯科医院から信頼され、仕事の依頼を受ければたくさん仕事ができ、収入も増えることが予想されます。
フリーランスは組織に雇用されていないため、「労働基準法」が適応されません。
労働時間や有給休暇、最低賃金、休暇など、歯科医院に勤める歯科衛生士に与えられている権利が、フリーランスには与えられないのです。
つまり考え方としては、個人の事業主と同じようなものであり、労働基準法などで定められている事項など含め、自己責任で仕事をしなければなりません。
そのため、働きすぎでメンタルや体調を崩してしまうということに陥りやすくなります。
パートタイムとは、非常勤という形態で働く人のこと。
定められた日数や時間を働く正社員に比べ、短時間で働きます。
一方でフリーランスは会社に属さず、個人事業主として働くという点で、雇用形態に違いがあります。
パートタイムは労働基準法が適用され、働ける時間に関しても定められています。
なお労働基準法では、「原則として1日に8時間、1週間に40時間以上の労働はさせてはならない」と定められています。
一方フリーランスは労働基準法が適用されないため、働ける時間に制限がありません。
パートタイムより短い時間働くこともできれば、正規雇用の歯科衛生士同等の時間働くこともできます。
しかし働く時間設定は自己管理になるため、働きすぎやダブルブッキングには要注意です。
パートタイムでは、歯科医院が定めたその人の能力に合わせた時給によって働く場合が多いです。
そのため、勤め先によっては見合った給料が貰えないなどの不満を抱える恐れも。
一方でフリーランスの場合は、契約によって報酬を相手と相談して決めることが多く、自分が希望する報酬を受け取れます。
また、報酬が低すぎるなどの自分に合っていない依頼などに関しては、断ることも可能な点がフリーランスの特徴です。
そのため、パートタイムとフリーランスを比べると、フリーランスの方が多くの給料をもらいやすい傾向にあるでしょう。
「下請代金支払遅延等防止法」とは、大きな会社(依頼主)が小さな会社やフリーランスなどの個人事業主(依頼者)に対して課された義務のことを指します。
詳しく解説すると、以下のことをいいます。
●発注書面などの交付や作成、保存は依頼主がする義務
●下請代金をしっかりと定め、納期から60日以内、またはできるだけ早く支払いをしなければならない義務
●勝手に代金を遅らせたり、減額してはいけない義務
●期日までに代金を支払わなかった場合(納期から60日以上過ぎた場合)、支払いが完了したまでの日数分×14.6%分の利息を、「遅延利息」として支払う義務
●依頼者になにも責任が無いにもかかわらず、提供されるものを拒否したり、返品することを禁止する義務
●通常の相場に比べ、低い下請代金を設定することを禁止する義務
●依頼者になにも責任がないにもかかわらず、不当にやり直しをさせたり、内容を変更させることを禁止する義務
などが挙げられます。
フリーランスで働くことを希望している歯科衛生士さんは、以上のような制度も把握しておきましょう。
働き方を選択できるフリーランスは、自由度が高いものの自己管理が必要な働き方です。
ある程度のキャリアを積み、歯科衛生士としてのスキルに自信がある人、組織に縛られず自由に働きたいと考えている方は、フリーランスとしての働き方を検討してみてはいかがでしょうか。
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